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キャリア・リベラルアーツをつぶやく④

キャリアコンサルタントであり、また社内キャリアアドバイザーでもある筆者が、社外向けにキャリア・リベラルアーツを軸に、様々な情報発信する、題して「東京から岡山を経由して、キャリア・リベラルアーツ全般をつぶやく!」という、こちらのコーナー。本日は4回目になります。

前回は、ようやくこのコラムの主題1つである「リベラルアーツをつぶやく」に近い話題を出しまして、触れかけたところで、前半部分を終えました。

そして後半は、1つリベラルアーツに向けて読んでみるとよい本を提示しようと思っております!、と締めたところでした。

ちなみにここで、本来のこの企業HPのコンテンツとして、しかもIT会社でありながらリベラルアーツを主題としたコラムとして仕立て、またそのコラムのネタとはいえ、読んでみるとよい本!などを個人の感想・見解で載せてしまうことに、どんな意義があるのか!とご指摘を受けてしまうこともあるかと思います。

はい、そこはご指摘の通りです。ですが、やはり、そもそもHPの存在としての目的と、そのHP上でこのようなコラムを掲載する意義の1つに、採用活動の一環としての目的がございます。

実際に、弊社にご興味を頂く方には、システムエンジニア、データサイエンティストというITスキル部分に期待するのはもちろんのことなのですが、できたら能動的に学習することを、習慣としても性格としても、好むような方を求めています。ここで「求めています!」と書くと、単なる雇用主の目線になってしまいますが、やはり人数が多い大企業ではないため、せっかくご縁があってご一緒に働くことがかなう場合、双方にとってよい「マッチング」となるようにと考えています。

小さいコミュニティではあるものの、ご自身といわゆる企業風土が近い、水が合う職場となることができるといった、お互いの居心地よさがマッチすれば、長期安定雇用にも、やりがいにもつながるのが、火を見るよりも明らかです。そこに期待して、こうしたコラムを書いた際に、ITだけでなくリベラルアーツにも興味あります!または、これから勉強してみたいです!それが、ひいては、エンジニアとしても、サイエンティストとしても、ヒューマンスキルの底上げにつながることを楽しんでくれる従業員にあふれ、そういった企業カルチャーになってくるとよいなというのが、ささやかな採用担当者としての願いなのです。

ところで話はそれますが、上記の後半段落の文中だけで「火」、「水」、「風」、「土」が出てきましたね。

ひとまずわかりやすくwikiから中心の出典で一部要約しますが、

「四元素(しげんそ)とは、この世界の物質は、火・風・水・土の4つの元素から構成されるとする概念である。四元素は、日本語では四大元素、四大、四元、四原質ともよばれる。古代ギリシア・ローマ、イスラーム世界、および18~19世紀頃までのヨーロッパで支持された。古代インドにも同様の考え方が見られる。中国の五行説と類比されることも多い。
エンペドクレスの説がよく知られるが、アラビア・ヨーロッパの西洋文化圏で広く支持されたのはアリストテレスの説であり、四元素を成さしめる「熱・冷・湿・乾」の4つの性質を重視するため、四性質ともいわれる。4つの元素は、土や水など、実際にその名でよばれている具体物を指すわけではなく、物質の状態であり、様相であり、それぞれの物質を支える基盤のようなものだとされた。これらは、世界のあらゆる物質を構成する基本的な要素とみなされていました。それぞれの元素には、火は熱、水は湿り、風は動き、土は堅さといった性質が割り当てられています」

ですので、改めてですが、種々つぶやくコラムの内容に、火のように熱いやる気で、自己啓発で開拓した知識が水脈のように流れ、風のような軽やかな行動力で、土のように当社に根を張っていただけたらなと思いながら、時に、広く物事を知る好奇心を刺激して、当社についても興味をもってもらえるような存在を目指す、そんなコラムの第4回です。

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皆様、こんにちは、あるいは、こんばんは。
まずは本日も当社HPをご覧頂きまして、改めまして、ありがとうございます。

私は、当社の人事・総務・広報などを全般を担当し、経営にも参画している、タカハシノリと申します。そして、当社のメインミッションにもあります「兼業人材」でもあります。(普段は別の会社で、人事・育成エリアで管理職をしています)

前回コラムでは、

・・・やはりリベラルアーツは、それこそ「歴史」、「音楽」や「アート」、「社会課題」などを知って、今の自分に生かす、いや自由になるという、そのための「教養」と訳されるジャンルを想定しており、実はそれが昨今の企業の研修でも、最近非常に多く取り入れられており、特に、管理職以上の研修だったり、あるいは外資系企業などが積極的に取り入れていて、そこからどんどん広がっていっているのです。(欧州は、このあたりの知識がないと、上流とは呼ばれないというカルチャーも影響しているようです)

というわけで、まず初めに、おそらく日本の経営者がお勧めする本の、常に上位に挙がってくるようなタイトルでもご紹介しようかと思ったのですが、すでに本日のコラムがとても長くなりましたので、次回のコラムにまわしたいと思います・・・

という形で終わりましたので、続きを書いていきたいと思います。

すでに3つのタイトルを掲げましたが、あくまで個人の見解ではありますが、あえて若い方がターゲットにご紹介いたします。

ではまず、王道of王道。おそらく日本の経営者がお勧めする本の、常に上位に挙がってくるタイトルです。

①坂の上の雲(司馬 遼太郎)

率直に言うと、これを読み切れることが、リベラルアーツへの1つの試金石と言われるのでは?とさえ思います。
大ファンの多い、司馬遼太郎先生。確かにその文体はやや硬くて、やや冗長と感じることもあります。
でも、その史実である歴史を、壮大なドラマにする能力に魅せられた人々は多数いらっしゃるのです。

その上、作家のファンというだけでなく、歴史ファンにとっても、この「坂の上の雲」というのは、時代背景が非常にマニアックだからこそ代表作にもなりえる、すばらしいテーマ選定です。通常、歴史ものは、戦国時代や、あるいは明治維新に向けた新選組が人気の時代ですが、(大河ドラマでの題材選びは経済効果にも波及しますが、そこの登場する時代の多くがそこに関連し、またアニメやマンガで大ヒットした「るろうに剣心」なども、明治維新直後を描いています)

しかし、この「坂の上の雲」という本の舞台は、明治以降からずいぶん経った、日清・日露戦争の時代なのです。不思議なもので、この時代になると、どうも戦国時代のときのようなファンタジー色が一気になくなり、リアルに、そしておどろおどろしいほどの戦争描写になっていくのです。
そして、こここそを知ることが、リベラルアーツ、教養だと考える、経営層に近い年代の方々が多数いらっしゃるんですね。
その是非を問いたいわけではなく、そういう理由が存在するのですという考察です。

さらに重ねて、リベラルアーツとして人気が高い理由の3つめとして、この本の主人公たちである、特に「秋山兄弟」という彼らの生き方に学ぶ!!と心酔している人もたくさんいらっしゃいます。ここについては、ひとことでまとめにくいですし、一言で伝えるとチープになってしまいますので是非、読んでみて感じてください。

とにかくいくつかの観点で大ファンの多いゆえに、私などが書かなくても、リベラルアーツや経営者の推薦図書によく出てくるのですが、もちろん、史実を学ぶ教科書ではなく、あくまで大河ドラマではありつつも、あまりに浸透しすぎて、これがまるで史実書となって、ときおり、とある論争がおきます。そこに興味がありましたら、「旅順要塞」に関する件を調べてみてください。

そしてここは、この超大作本の中でも、最も読むのにエネルギーを使うところです。是非、読後にその是非をお伺いしたいです。

さて。たとえ「文庫分でも全8巻」の大作を、軽い気持ちで読むのはとても難しいので、まるでIT資格でいうと、「応用情報技術者試験」の1つをとるようなハードルといえるかもしれないですね。そんな応用情報ではなく、まずは基本情報技術者試験レベルのリベラルアーツにちょうどよい本はないものか?と考えてみたときに、ちょっとだけ時代を感じさせる表現も出てはきますが、次のこれはいかがでしょう。

②ギリシャ神話を知ってますか(阿刀田 高)

こちらは、聖書と並ぶ古典中の古典、ギリシア神話。そう、世界の思想、芸術、文芸に多大の影響を及ぼしているといわれるギリシャ神話。この本では、多彩豊富な物語を巧みに整理し、著名なエピソードを取りあげてわかりやすく解説。エロス、オイディプス、パンドラ、アンドロメダ……神話中のヒーローとヒロインの運命を、作家的想像力で興味深く語ったこの一冊で、あなたはもう“ギリシア神話通”!!などとamazonでも紹介されます。でも、文庫本1冊として、実際にとても読みやすいです。
そして、様々な物語、コンテンツのネタ元になっているギリシャ神話をおさえておくと、結構自分自身で教養持ってるな感を味わえるので、知って損はない一品です。(ギリシャ神話だからといって、関連するストーリーは聖闘士星矢だけじゃないですよ!たくさん、ギリシャ神話から映画・アニメ・マンガが生まれております)
そしてここで神話に興味を持つと、派生して他の神話にも俄然興味が出てきます。インド神話や北欧神話。いろいろな神話を読むと、実はかの大人気漫画の「ワンピース」のオマージュもいろいろわかりますよ!もちろん、日本の神話だって、日本書紀からは、これまで大ヒットした「呪術回戦」でのオマージュがわかることでしょう。
そんなギリシャ神話にふれるのに、私はちょうどよいボリューム感で、ITでいう「基本情報処理」だなと例えました。

さてさて。
実はこの、①にしても②にしても、少し古い刊行の書籍を紹介するなあ、と思われるかもしれませんが、リベラルアーツ本来の目的は、もちろん自分自身の教養のためなので、別に新しい本でも全然よいのです。が、せっかくここで初めてリベラルアーツのために、何か読もうと思った場合、せっかく読んだのであれば、それを他者との会話の話題にできると、時間に限りある社会人的には一石二鳥かと思うわけです。そうなると、①のときにも書きましたが、多くの経営者や、たとえ少し教養ぶっているだけの方々が、本来の目的だろうと、少し別のメリットのための目的だろうと、読み漁っているものというのは、こうした少し古い刊行の書籍がとても多いので、あえて古めで、団塊世代の経営陣に人気の参加の2つご紹介しております!

・・・でも、そんな目的であっても、やはり①②はまだ最初のハードルが高いので、せめてITでいうところの初学者向けであるITパスポートレベルの、入りやすくて読みやすいのはないんでしょうか?と聞かれたら・・・

最後に私としては、

③池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇

こちらですかね。まずは、そもそも「教養」って?というところから、入れます!!
これ以上の中身の解説はせっかくの初回読者にもったいないので、さっそく本書で入り口に立ってみてください。
いわゆる、リベラルアーツパスポートですね(^^)

それでは今回、後半として書きましたが、また長くなってしまいました。
でもようやく、リベラルアーツというテーマに即した内容をかけました。

今後も、このHPに訪問したら、就活面接の話題ができたといわれるように、キャリアのこと、IT動向などにも触れつつ、リベラルアーツという切り口で、様々な事象に触れてみたいと思います。

それでは、猛暑が続きますが、是非ご自愛ください。それではまた次回にお会いしましょう。