社内キャリアアドバイザーが、社外向けにも本当にキャリアコンサルタントを目指しながら情報発信する、題して「東京から岡山を経由して、キャリア・リベラルアーツ全般をつぶやく!」という、こちらのコーナー。本日は3回目になります。
前回は、本題に入る前にいきなり大きな発表をしてしまいました・・・。
本来であれば、このコラムは表題にあるように、「社内キャリアアドバイザーが、本当に社外向けにもキャリアコンサルタントを目指しながら情報発信する」というコンセプトですので、他社の人事部門の管理職を担っているとともに、ITC社でも人事全般と経営参加を担う、兼業人材でありミドルエイジな私が、コツコツと勉強を重ねていき、長く長くその話題をひっぱりながら、数か月後に合否結果発表に持ち込む!というストーリーを用意して、最後に「国家資格キャリアコンサルタントに、合格しました!!」と涙ながらに報告するいう流れを(きっとChatGPTにシナリオを考えてといったら、そういう模範解答が返ってきそうですが)、早々にぶち壊してしまい、コラム2回目に合格を発表しました(笑)。
ですので、改めてですが、ここでのコンセプトとしては、キャリアコンサルタントの資格を取得するのが本来の目的ではなく、人事界隈の話題や、人材育成経験を生かして、種々つぶやくコラムの内容であり、その一端でも、読んでいただいた方自身の何かの気づき、あるいはキャリアを考える1つのきっかけとなるような、そして、いわゆる専門書の紹介ということではなく、少しでもリベラルアーツの精神で、広く物事を知る好奇心を刺激しながら、当社についても興味をもってもらえるような存在を目指す、そんなコラムの第3回です。
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皆様、こんにちは、あるいは、こんばんは。
まずは本日も当社HPをご覧頂きまして、改めまして、ありがとうございます。
私は、当社の人事・総務・広報などを全般を担当し、経営にも参画している、タカハシノリと申します。そして、当社のメインミッションにもあります「兼業人材」でもあります。(普段は別の会社で、人事・育成エリアで管理職をしています)
さて。
前回は「ディープラーニングの仕組み」の初学者向け本を紹介しながら、当社の取り組むAI、データサイエンスエリアに関するコラムでした。そして前々回から続いて、DX全般の、そしてディープラーニングなどを話題としてしまうと、もはやこのコラムはリベラルアーツではなく、技術カットなテーマではないか?とご指摘を受けそうですので、今回は敢えて、いえ、ちゃんとよくあるような、リベラルアーツの導入部分のような話題で入ろうとも思います。
と、ここで「リベラルアーツって、そもそも具体的にはなんでしょうか?」や、「それは、ITC社に興味を持ったIT人材に関係あるのでしょうか?」と思われてしまう可能性もありますので、少し補足したいと思います。
そこで、東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院長 上田教授のお言葉をお借りしますね。
そもそも、リベラルアーツという言葉は元々ギリシャ・ローマ時代の「自由7科」(文法、修辞、弁証、算術、幾何、天文、音楽)に起源を持っています。その時代に自由人として生きるための学問がリベラルアーツの起源でした。「リベラル・アーツ」、つまり人間を自由にする技ということです。
現代社会は一見自由に見えます。しかし多くの人たちが生きづらさ、不自由さを感じているのはなぜでしょうか。いま私たちが直面しているのは、評価をたいへん気にして、「正解」を求めていないと不安だという意識です。ですから多くの人たちが「評価されること」にがんじがらめになっています。しかしそれが本当に自由な生き方でしょうか。
「評価される正解」にがんじがらめになっている人は実はとても不自由で、そして結局のところ新しいものを創り出す創造性を欠く人になってしまいます。それでは自分も楽しくないし、社会に貢献することもできません。「ひとつの正解」よりも「多様性の理解」がとても大切になります。ビジネスパーソンも海外の文学を読めば、その国の国民性がわかります。(注記:本来専門的知識があればよいと思われる職業としての⇒)「弁護士」も、人々の心理や人間関係のあり方を知っていたほうがいいはずです。そうやって「物事にはいろいろな見方があるのだ」ということを学んでいることが、私たちの人生を切りひらくときにとても大切になるのです。
多様な見方ができるとは、「他の人の言っていることを鵜呑みにしない」ということでもあります。どんな偉い人が言ったことでも、必ずしも正しくないかもしれない。ある時代のある場所では正しくても、ほかのところでは通用しないかもしれない。だからそれをすぐに信じてしまうのではなく、自分の頭で考え、自分のハートで感じ、自主的に判断し行動することが求められています。もちろんそうやって自分で判断するためには、たくさんのことを知っておかなければなりません。
(2024年4月毎日新聞抜粋、「月刊東海財界(株式会社中部財界フォーラム社)」11月号・1月号抜粋)
・・・と、もうここまでの文章を読んだだけで、相当おなか一杯でしょうか。いや、わかります。実際のところ仕事と直結するテーマを学ぶ方が、わかりやすいですし、学んだ時間を費やした意味を感じやすいです(そういう意味では、前回や前々回のような、DXやディープラーニングのようなわかりやすいキーワードの方が、学ぼうとする意識は向きやすいです)。
そこに、もし仕事や、すぐ実用性に直接的につながらないものを学ぶときというのは、何か別のモチベーションが必要です。それが例えば「好奇心を満たすこと」や、別目的として「リラックス効果」、または「ストレス社会からの一時離脱」などが目的になることも、しばしばあります。そういう意味では、上田教授のお言葉をお借りすると、「自由になる」ということでもあるそうです。
一応は、当コラムも、それらを目指して、当社とも関連するキーワードも伺いつつ、例えば次回以降では一度、マンガというジャンルなども引っ張り出してみたいなと思っているわけですが、やはりリベラルアーツは、それこそ「歴史」、「音楽」や「アート」、「社会課題」などを知って、今の自分に生かす、いや自由になるという、そのための「教養」と訳されるジャンルを想定しており、実はそれが昨今の企業の研修でも、最近非常に多く取り入れられており、これまで研修会社からも導入提案を受けたのは、1度や2度ではないです。特に、管理職以上の研修だったり、あるいは外資系企業などが積極的に取り入れていて、そこからどんどん広がっていっているのです。(欧州は、このあたりの知識がないと、上流とは呼ばれないというカルチャーも影響しているようです)
このような至極ストレートな説明導入文を乗り越えて、ここまで読んできていただいた方ならば、もうすでに「教養」を得てスキルアップする素養ありますよ!その素養を生かすためにも、まだ興味のない、または、実用性のない分野を、忍耐強く取り組むことができるのであれば、1つリベラルアーツの書籍にチャレンジしてみませんか!?
というわけで、まず初めに、おそらく日本の経営者がお勧めする本の、常に上位に挙がってくるようなタイトルでもご紹介しようかと思ったのですが、すでに本日のコラムがとても長くなりましたので(私のせいですが・・・)、下記のようなものを紹介するつもりでありつつ(←ネタがないというわけではないことを残して)、次回のコラムにまわしたいと思います!それまでに、少し調べようと思ったアナタ!そのアクションも、リベラルアーツを学ぶ素養ありますね。
では、末筆に時候の挨拶はおかしいですが、向暑の候/万緑の折/小満のみぎり、読者の皆様におかれましてはご健勝のこととお喜びして、締めたいと思います。それではまた次回にお会いしましょう。
<次回>
①坂の上の雲(司馬 遼太郎)
②ギリシャ神話を知ってますか(阿刀田 高)
③池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇